特集 周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル 第3版
産科編 妊娠初期 風疹抗体価が256倍といわれましたが?
松本 良
1
,
下屋 浩一郎
1川崎医科大学 産婦人科学1
キーワード:
妊娠合併症-感染性
,
風疹
,
風疹ウイルス
,
風疹症候群-先天性
,
風疹抗体
Keyword:
Pregnancy Complications, Infectious
,
Rubella
,
Rubella virus
,
Rubella Syndrome, Congenital
,
Rubella Antibodies
pp.69-71
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020088252
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<回答のポイント>1)風疹抗体価(HI)が256倍である場合、過去の風疹抗体価測定の記録、風疹含有ワクチン接種の記録の確認を行い、風疹感染既往について確認する。2)小児との接触が多い就労、風疹患者との接触、発疹、発熱、頸部リンパ節腫脹などの問診を行い、リスクを認める場合には、風疹感染診断検査(ペア血清HI抗体価および風疹特異的IgM抗体価測定)を行うが、リスクを認めない場合には風疹感染診断検査を行うかどうかは議論があり、妊婦と相談の上で方針を決める。3)HI抗体価およびIgMを同時に測定し、1~2週間後に再検査してHI抗体価が4倍以上上昇しIgMが陽性化した場合は風疹罹患の可能性が高い。4)長期間にわたってIgM抗体が低いレベルで陽性を示すpersistent IgM抗体の存在があり、IgMが陽性であっても低レベルの陽性であれば問診を詳細に行い、リスクがなければ胎児感染は否定的であると考えられる。5)風疹罹患(疑い含む)妊婦の対応診療指針として、国立感染症研究所感染症疫学センターホームページ掲載の各地区ブロック相談窓口(2次施設)(表)への相談・紹介を考慮する。
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