特集 原発性マクログロブリン血症
3.原発性マクログロブリン血症に対する治療2)bendamustineを用いた治療
三嶋裕子
1
Yuko Mishima
1
1公益財団法人 がん研究会有明病院 血液腫瘍科 副医長
pp.1191-1195
発行日 2017年7月30日
Published Date 2017/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018081191
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原発性マクログロブリン血症は,骨髄での形質細胞へ分化傾向のあるB細胞の増殖,免疫グロブリンM(IgM)増加などを特徴とし,貧血の進行,過粘稠度症候群を合併する難治性の疾患である。初期は経過観察とし,有症状となった場合,血漿交換,抗がん剤治療の適応となる。選択される抗がん薬の中でベンダムスチンはキードラッグの1つである。初発のベンダムスチンとリツキシマブの併用治療効果は従来の治療と比較し,奏効までの期間の短縮,無増悪生存期間(PFS)の延長が報告されている。骨髄抑制の遷延が副作用として懸念されるが,これまでの臨床試験では従来の治療と差はなく,幹細胞採取も可能と報告されている。