連載 血液今昔物語 血液病-原典・現点
第20回 Waldenströmの原発性マクログロブリン血症
吉田彌太郎
1
Yataro Yoshida
1
1医仁会武田総合病院 血液病センター センター長
pp.540-545
発行日 2013年3月30日
Published Date 2013/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201304540
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原典 Waldenström J:Incipient myelomatosis or essential hyperglobulinemia with fibrinogenopenia-a new syndrome? Acta Med Scand 117:216-247, 1944. 要旨 出血傾向,貧血,血小板減少,リンパ節腫大,血清総蛋白増加,低アルブミン血症,低フィブリノーゲン血症,赤沈亢進,骨髄でリンパ球様細胞が著増する2症例を報告した。慢性リンパ性白血病や多発性骨髄腫とは,血清蛋白異常や骨髄所見から区別される。血清が著明に粘稠で,その高粘稠度は沈降計数が19~20Sで,分子量の大きい均質なグロブリンによる可能性を示唆した。その後に独立疾患として認知され,彼の名を冠して呼ばれる原発性マクログロブリン血症の最初の報告である。