特集 慢性リンパ性白血病(CLL)と類縁疾患
2.慢性リンパ性白血病(CLL)と類縁疾患(ヘアリー細胞白血病〔HCL〕,splenic lymphomaなど)の病理
大島孝一
1
,
鈴宮淳司
2
Koichi Ohshima
1
,
Junji Suzumiya
2
1久留米大学医学部 病理学教室 教授
2島根大学医学部附属病院 先端がん治療センター長/腫瘍・血液内科 教授
pp.161-170
発行日 2018年1月30日
Published Date 2018/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201802161
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小型,中型の白血化を伴う悪性リンパ腫の病理鑑別診断として今回解説を行う。小型,中型リンパ球を主体とする低悪性度B細胞性リンパ腫は,① 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫,② マントル細胞リンパ腫,③ 濾胞辺縁帯リンパ腫,④ 濾胞性リンパ腫,⑤ リンパ形質細胞性リンパ腫,⑥ 有毛細胞性白血病などの疾患単位から成るが,構成する疾患単位は「低悪性度」という形容詞からか,比較的予後良好なリンパ腫と認識される傾向がある。しかし,あくまでも病理形態から小型が主体であるということであって,一部にはマントル細胞リンパ腫のように予後不良のものが含まれてくる。また,小型リンパ球を主体とするT細胞性悪性腫瘍には,⑦ T細胞前リンパ球性白血病や,⑧ T細胞大顆粒リンパ球性白血病がみられる1)。