特集 慢性リンパ性白血病(CLL)と類縁疾患
3.慢性リンパ性白血病(CLL)および類縁疾患のフローサイトメトリー(FCM)
青木定夫
1
Sadao Aoki
1
1新潟薬科大学薬学部 病態生理学研究室 教授
pp.171-178
発行日 2018年1月30日
Published Date 2018/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201802171
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慢性リンパ性白血病(CLL)におけるフローサイトメトリー(FCM)には,現在2つの役割がある。一つは,ルーチンのFCM解析で行われる診断のためのマーカー解析で,CLLとその類縁疾患の鑑別に有用である。マーカーの解析結果は典型例においては,診断上の困難はないが,非典型例では形態学や染色体,遺伝子検査の結果と合わせて検討する必要がある。もう一つは,研究検査としてのmulticolor FCMを用いた治療後の微小残存病変の解析である。欧州のERICのグループにより標準化がすすめられており,臨床効果の判定や予後予測に有用な情報をもたらすことが期待される。