特集 悪性リンパ腫の新規標的治療薬
序 ~分子標的薬の進歩とリンパ腫の診断~
伊豆津宏二
1
Koji Izutsu
1
1国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科長
pp.17-21
発行日 2017年12月30日
Published Date 2017/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201801017
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リンパ腫に対する分子標的薬の導入は,診断や病理分類の進歩と並行して進んできた。最新のWHO分類では病型に特徴的な遺伝子異常が数多く取り上げられるとともに,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫では,細胞起源に基づく分子学的サブタイプの記載が強く勧められるようになった。今のところ,サブタイプにより治療を変えることを支持する根拠はないが,今後得られる臨床試験の結果によっては,治療選択上必要な情報となる可能性が高い。今後,分子標的薬の適応と関連して,リンパ腫診断時にさらに多くの病理学的検討が必要とされる可能性がある。