特集 わが国の血液事業 ~現状と将来展望~
1.血液事業の変革と持続可能な運営
髙松純樹
1
Junki Takamatsu
1
1日本赤十字社東海北陸ブロック血液センター 所長
pp.657-665
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201705021
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
第二次大戦後に始まった本格的な血液事業は売血から献血へ,全血輸血から成分献血へ,各県単位の事業運営から広域的運営へと大きく変換し,今また若年者の献血離れと血液供給量の減少という新たな局面を迎えている。将来の輸血医療に立って,血液事業の変革と持続可能な運営には採血基準の見直しを含む献血者の安全の確保と良質な原料血の採取,一層の安全な製剤・新規製剤の開発,医療機関は重要なパートナーという視点に立った供給業務の充実・供給の窓口でのサービス改善を図るとともに,健全な血液事業の発展に向けて人材育成,設備投資,それを支える健全な財政状態の確立が求められる。