発行日 2016年9月30日
Published Date 2016/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201610077
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がんの早期発見には有用なバイオマーカーの開発が重要である。臨床現場ではがん患者には特有の匂いがあると言われており,匂い物質もマーカーとなる可能性がある。微量の匂い物質を検知できるセンサーがあれば,がん組織が小さいうち(早期がん)に,臓器の裏にあって見えにくいといった画像診断の欠点を克服する形で,がん早期発見システムが確立できる。匂いを検知するセンサーとして,我々は人工機器の性能を凌駕する生物の嗅覚に注目し,それを用いたがん診断法の開発を進めている。本稿では,その技術と今後の展望について紹介する。