発行日 2016年9月30日
Published Date 2016/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201610033
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微量の体液を疾病の診断に用いる「リキッドバイオプシー」が注目されているが,特にがんは早期発見がその治療効果の鍵を握るため,体液から高感度でかつ高い正確性でがんの存在や悪性度を診断できる技術の開発が望まれている。最近では,がん細胞が分泌する膜小胞(エクソソーム)が,がんの悪性化や転移といった現象と密接に関連していることが次々に明らかとなっている。血中に分泌されるがん細胞由来エクソソームは,様々ながんの情報を包含していることから,有用な診断マーカーとなり得る。本稿では,血中エクソソームを利用したリキッドバイオプシーの最近の研究動向を概説する。