特集 ホジキンリンパ腫
3.ホジキンリンパ腫細胞のシグナル伝達機構
堀江良一
1
Ryouichi Horie
1
1北里大学医学部 血液内科学 准教授
pp.193-199
発行日 2016年1月30日
Published Date 2016/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201602039
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古典的ホジキンリンパ腫(cHL)細胞では,細胞内分子の脱制御による恒常的シグナルは,シグナル伝達の抑制分子の不活化や誘導分子の増幅につながる遺伝子変異により増幅され,これらは微小環境を形成している細胞からのシグナルにより修飾される。これに関与する代表的経路としてNF-κB,JAK-STAT,MAPK/ERK,PI3K-AKT,Notch1経路があげられる。これらはcHL細胞の自律的増殖やサイトカインの分泌,B細胞形質の喪失などに関わり,cHL特有の病態形成に関わっていると考えられている。