特集 ホジキンリンパ腫
4.EBウイルスが関与するホジキンリンパ腫
谷口亜裕子
1
,
大畑雅典
2
Ayuko Taniguchi
1
,
Masanori Daibata
2
1高知大学医学部 血液・呼吸器内科学講座 助教
2高知大学医学部 微生物学講座 教授
pp.201-207
発行日 2016年1月30日
Published Date 2016/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201602047
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Epstein-Barr virus(EBV)は2本鎖DNAウイルスであり,ヒトに感染後は一生体内に潜伏する。世界中に広く蔓延している身近なウイルスであるが,その一方で,一部の悪性リンパ腫や上咽頭がんなどの悪性腫瘍の発症に関連している。EBV遺伝子発現による感染細胞の不死化やEBV潜伏感染様式,宿主の免疫状態,および遺伝子異常の蓄積に基づく細胞の増殖が,EBV関連腫瘍発症の機序として考えられている。EBV陽性ホジキンリンパ腫においても,ウイルス遺伝子発現を介した細胞内シグナル伝達の活性化や,周囲微小環境との相互作用により免疫監視機構からの回避手段を獲得することが,腫瘍の進展維持に関与するとされる。