特集 ホジキンリンパ腫
2.ホジキンリンパ腫のゲノム研究の最前線
百瀬修二
1
Shuji Momose
1
1埼玉医科大学 総合医療センター 病理部 准教授
pp.187-192
発行日 2016年1月30日
Published Date 2016/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201602033
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Hodgkinリンパ腫(HL)は本邦では比較的頻度の低いリンパ腫の一型であるが,その独特の組織像ならびに特徴的な腫瘍細胞であるHodgkin/Reed-Sternberg(H/RS)細胞の細胞起源を含めて長らく議論が続いた。前世紀末にはH/RS細胞がB細胞由来であることがわかり,現在ではB細胞性腫瘍との認識が定着した。また,近年のゲノム解析の風景を一変させた次世代シークエンサー(NGS)の登場は,HLにおける遺伝子変異をいくつか明らかにし,その特徴的な組織像を説明し得る1つの答えを出したように思う。本項では今日までのHLのゲノム構造ならびに遺伝子異常を,最近のNGSによって明らかとなった知見とともに振り返ってみたい。