特集 妊娠・分娩と血液異常
6.妊娠高血圧症候群・HELLP(Hemolysis/Elevated Liver enzymes/Low Platelet count)症候群と凝固線溶系の異常
森川守
1
Mamoru Morikawa
1
1北海道大学大学院医学研究科 産科・生殖医学分野 講師/北海道大学病院 産科・周産母子センター 診療准教授
pp.1467-1472
発行日 2015年9月30日
Published Date 2015/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201510065
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〈1〉 妊娠高血圧症候群では,HELLP症候群を合併しやすいので注意を要する。〈2〉 HELLP症候群の診断には血算(血小板数)と肝機能(AST/ALT/LDH)を測定し診断するが,アンチトロンビン(AT)活性値などの凝固線溶系も同時に測定する。測定結果はそれらの絶対値だけでなく,値の推移(時系列での変化)にも注意する。また,血算ではヘモグロビン値やヘマトクリット値にも注目する。〈3〉 多胎妊娠では単胎妊娠に比べ,血小板数減少や AT活性値低下を伴いやすい。HELLP症候群が発症するリスクが高いことに注意する。