Topics「身近な話題・世界の話題」(142)
フィブリノゲン補充による止血治療の実際
山本晃士
1
Koji Yamamoto
1
1埼玉医科大学 総合医療センター 輸血細胞医療部 教授
pp.1324-1328
発行日 2015年8月30日
Published Date 2015/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201509088
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大量出血患者においては重篤な凝固障害が存在することが多いが,その本態は高度な低フィブリノゲン血症である。我が国では,フィブリノゲン補充治療として新鮮凍結血漿の輸血が一般的であるが,その止血効果はまったく不十分であると言わざるを得ない。クリオプレシピテートおよびフィブリノゲン製剤はフィブリノゲンが濃縮されており,高度な低フィブリノゲン血症の改善にきわめて有効で,大量出血患者の止血に大きく寄与するものと考えられる。