特集 Ph陰性骨髄増殖性腫瘍 ~分子病態と治療の最前線~
5.好酸球増加症(増加症候群)の病態と治療
田中宏和
1
,
松村到
2
Hirokazu Tanaka
1
,
Itaru Matsumura
2
1近畿大学医学部 血液・膠原病内科 講師
2近畿大学医学部 血液・膠原病内科 教授
pp.977-986
発行日 2015年6月30日
Published Date 2015/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201507061
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好酸球増加をきたす疾患は多岐にわたるが,大きく腫瘍性,反応性,特発性に分類される。その原因によらず,好酸球増加が持続すると,浸潤した組織に炎症,線維化が生じ,結果として臓器障害が引き起こされる。特に,心合併症が重篤である。診断は,反応性好酸球増加の鑑別,造血器腫瘍の有無,クロナリティ,および異常T細胞の検索により行う。PDGFRA/B遺伝子異常を有する好酸球増加に対しては,イマチニブ投与により劇的な予後の改善が得られるため,より的確な診断が求められる。