特集 マントル細胞リンパ腫
2.マントル細胞リンパ腫発症の分子基盤
高田友子
1
,
吉野正
2
Tomoko Takata
1
,
Tadashi Yoshino
2
1岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 第二病理 助教
2岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 第二病理 教授
pp.1315-1320
発行日 2014年8月30日
Published Date 2014/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201409027
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マントル細胞リンパ腫はt(11;14)(q13;q32)によるCCND1蛋白の高発現を特徴とする疾患であり,細胞周期関連,DNA傷害に対する修復系,細胞増殖・アポトーシスなどに関わる分子にも付加的な遺伝子異常が認められている。本稿では,マントル細胞リンパ腫に認められるゲノムの異常や発現解析・メチル化解析の知見,シグナル伝達の異常について述べ,近年注目されているSOX11という分子や多段階進展についての知見,indolentな経過を示すマントル細胞リンパ腫についての分子生物学的解析についても記す。