Japanese
English
特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅳ. びまん性病変
3. 腫瘍性びまん性病変
マントル細胞リンパ腫
Mantle cell lymphoma
細江 直樹
1
,
緒方 晴彦
1
,
金井 隆典
2
Naoki HOSOE
1
,
Haruhiko OGATA
1
,
Takanori KANAI
2
1慶應義塾大学医学部内視鏡センター
2慶應義塾大学医学部消化器内科
キーワード:
悪性リンパ腫
,
粘膜下腫瘍
,
マントル細胞リンパ腫
Keyword:
悪性リンパ腫
,
粘膜下腫瘍
,
マントル細胞リンパ腫
pp.304-305
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000464
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疾患の概要
マントル細胞リンパ腫(Mantle cell lymphoma:MCL)リンパ節は濾胞のマントル層を構成するB細胞と同じ細胞表面形質を有する腫瘍である。免疫組織学的にはCD5とcyclin D1が陽性で,分子遺伝学的には染色体転座t(11;14)(q13;q32)に伴うBCL-1遺伝子再構成を有する。本邦における発症頻度は,全悪性リンパ腫の3%程度と報告されている。発症年齢中央値は60代半ばで,男性に多い。約90%の症例が初発時に進行期で発症し,表在リンパ節腫大以外に70%程度の症例は節外病変を有し,骨髄浸潤は50%以上,消化管浸潤は20〜30%に認める1)。診断時にすでに進行期である症例が多く,B細胞性リンパ腫のなかでも予後不良である2)。また,MCLは消化管の複数部位に浸潤するといわれており,本邦の報告では食道病変は稀で,2/3に胃病変,2/5に結腸病変がみられる3)。小腸病変は約1/3にみられる。胃病変は多彩な形態を呈するが,十二指腸から大腸では小型のポリープ様所見が広範囲に多発するmultiple lymphomatous polyposis(MLP)型が代表的である。
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