連載 ディベート血液学 第3回
MDSへの化学療法を行うかどうか?
短絡的化学療法への警告
吉田彌太郎
1
Yataro Yoshida
1
1医仁会武田総合病院 顧問
pp.1071-1073
発行日 2014年6月30日
Published Date 2014/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201407103
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
併存症が少なくなく,PSも不良なMDSでは,化学療法の寛解率は低く,治療合併症も稀ではない。アザシチジンは寛解にならなくとも,MDSで延命効果が得られるとして注目されている。しかし,有効例は相対的に若くPS良好な群が中心で,かつ無病生存ではない。芽球の多いような高リスクの高齢者MDSでは短絡的に治療するのではなく,メリットとデメリットとを予測し,十分な説明のもとに治療にあたるべきである。