“JOY”of the World!|ロールモデル百花繚乱・1【新連載】
紆余曲折、目の前のドアにはYes!
片岡 仁美
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 地域医療人材育成講座/総合内科
pp.94-98
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202459
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女性の活躍支援が社会的課題となり、「女性活躍推進法」(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)もできた。かつては“男性社会”であった分野で、女性が活躍することも稀ではなくなった。しかし一方で、わが国のジェンダー・ギャップ指数は、114カ国中110位(2018)であり1)、解決すべき問題も多くある。
現在、医師全体で女性の割合は20%を超えているが2)、その48%を「20〜30歳台」が占める。男性医師の年齢分布とは大きく異なり、女性医師は「ロールモデル」に出会いにくいとも言える。若手に偏った年齢分布となっている今こそ、“一歩先行くロールモデル”の存在が果たす意義は大きいのではないか。
ロールモデルが職場にいることは心強いが、ロールモデルは遠くにいてもよい。私は岡山大学で女性医師のキャリア支援の仕事を13年にわたって行ってきたが、自分にとって大きかったのは、さまざまな世代の女性医師の生の声を聞き、そのことで勇気づけられたり、生き方のヒントをいただいたりしたことである。女性医師はライフイベントが及ぼす影響が大きいこともあり、そのキャリアも多彩であることが多い。だからこそ、1人ひとりの経験が貴重であり、価値がある。そんな1人ひとりの経験値をリレーでつなぐことは、今まさに時宜を得た企画ではないかと考える。
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