特集 骨髄増殖性腫瘍
3.骨髄増殖性腫瘍の異常造血幹細胞
幣光太郎
1
,
亀田拓郎
2
Kotaro Shide
1
,
Takuro Kameda
2
1宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野
2宮崎大学医学部附属病院 がん診療部
pp.1005-1013
発行日 2014年6月30日
Published Date 2014/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201407037
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
造血幹細胞(HSC)レベルで生じる骨髄増殖性腫瘍(MPN)の遺伝子異常は,正常HSCをMPN initiating cellにtransformする。JAK2 V617F変異単独により生じたMPN initiating cellは脆弱であり,同時に存在するTET2などのエピゲノム制御分子の遺伝子異常により幹細胞機能が補強されている可能性がある。次世代シークエンス技術は,患者のHSCプールのheterogeneityや,MPN initiating cell成立に至るクローン構造などを明らかにでき,得られる情報の基礎研究,臨床両面での応用が期待される。