特集 血液病の皮膚病変を診る
4.血管内リンパ腫とランダム皮膚生検
糟谷啓
1
Akira Kasuya
1
1浜松医科大学 皮膚科学
pp.709-714
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201405051
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血管内リンパ腫(IVLBCL)では腫瘍細胞は血管内腔に留まり,リンパ節腫脹を起こすことが少ない。一方で,血管の閉塞により多臓器に症状を起こす。診断は生検組織で,血管内に腫瘍細胞が存在することを確認する1)。 IVLBCLの皮疹は発赤や血管拡張,皮下結節など多彩である。皮疹からの皮膚生検により確定診断は可能であるが,皮疹のあるIVLBCLは20%程度である。近年,外見上は皮疹のない皮膚からランダムに皮膚生検した組織内の血管からもリンパ腫細胞が見つかり,確定診断に至る症例が増えている。アプローチが容易で低侵襲なことから,ランダム皮膚生検はIVLBCLを疑った場合に非常に有用な検査である。