特集 HLA Revisited
3.MHCクラス II 分子による細胞内ミスフォールド蛋白質の提示
荒瀬規子
1
,
荒瀬尚
2
Noriko Arase
1
,
Hisashi Arase
2
1大阪大学大学院 医学研究科 皮膚科学講座/大阪大学 微生物病研究所 免疫化学分野
2大阪大学 微生物病研究所 免疫化学分野 教授/大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 免疫化学研究室 教授
pp.1059-1065
発行日 2013年7月30日
Published Date 2013/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013081059
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MHCクラス II 分子は,細胞外蛋白質由来のペプチドをヘルパーT細胞に提示する。ところが,細胞内で合成された小胞体内のミスフォールド蛋白質がMHCクラス II 分子に結合すると,ミスフォールド蛋白質が分解を受けずに,そのままMHCクラス II によって細胞表面に輸送されることが明らかになった。さらに,MHCクラス II 分子によって細胞表面に提示されたミスフォールド蛋白質は,抗原特異的なB細胞を活性化する。以上のように,MHCクラス II 分子には今までに知られていない新たな機能が存在することが判明した。