特集 注目されるnatural killer T(NKT)細胞
序 ~NKT細胞標的治療-新しい概念によるがん治療~
谷口克
1
Masaru Taniguchi
1
1理化学研究所 統合生命医科学研究センター 特別顧問
pp.899-903
発行日 2013年6月30日
Published Date 2013/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201307899
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NKT細胞は,患者体内に存在するNK細胞・キラーT細胞を同時に“強力に増殖・活性化”でき,「HLAを失ったがん細胞」と「HLAのあるがん細胞」の2種のがん細胞を同時に排除できる。さらに,NKT細胞リガンドを提示するCD1d分子は全てのヒトに共通で,誰にでも,どんながんにも適応可能となる。千葉大学病院で,世界で初めて進行肺がん17例に対して行ったNKT細胞標的治療の第 I / II a相臨床試験結果は,60%の患者の平均生存期間は約30カ月で,標準治療と比べても3倍有意な延長がみられた。