特集 移植片対宿主病(GVHD)の制御
6.抗胸腺グロブリンの位置づけ
斎藤桐子
1
,
神田善伸
2
Kiriko Saito
1
,
Yoshinobu Kanda
2
1自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科
2自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科 教授
pp.641-651
発行日 2013年4月30日
Published Date 2013/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201305641
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抗胸腺細胞グロブリン(ATG)は,海外を中心に同種造血幹細胞移植において広く用いられてきた。免疫抑制作用により移植片対宿主病(GVHD)の予防が期待される一方,感染症,再発の増加が懸念される。急性GVHD予防に関しては,その効果が感染症・再発の増加に相殺されない至適投与量およびタイミングの模索が続いている。一方,長期生存者ではATGによる慢性GVHD予防効果が明らかとなりつつある。