特集 移植片対宿主病(GVHD)の制御
7.間葉系幹細胞など細胞療法の新展開
松岡賢市
1
Ken-ichi Matsuoka
1
1岡山大学医学部 血液・腫瘍内科 助教
pp.653-660
発行日 2013年4月30日
Published Date 2013/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201305653
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カルシニューリン阻害薬などの薬剤による免疫抑制療法は長らくGVHD管理の中心であったが,近年,移植の多様化が進む中で,免疫抑制活性を持つ細胞を意図的に増幅して免疫学的寛容の導入を目指す新しい試みがなされている。間葉系幹細胞は,急性GVHDに対する高い抑制効果と安全性が臨床試験で示され,細胞医薬品として診療上の選択肢となりつつある。制御性T細胞もようやく臨床への応用が開始された。これらの免疫抑制細胞療法は,従来の治療に抵抗する難治症例に対し,新しいアプローチによるGVHD制御法を提供するものとなろう。