特集 移植片対宿主病(GVHD)の制御
5.小児におけるGVHD制御
矢部普正
1
Hiromasa Yabe
1
1東海大学医学部 再生医療科学 准教授
pp.633-640
発行日 2013年4月30日
Published Date 2013/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201305633
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小児におけるGVHDは,その発症機序や診断において成人のGVHDと異なることはなく,急性および慢性GVHDのいずれも成人より軽症にとどまることが多い。しかし,重症度判定においては,体表面積や下痢量の算定基準が成人と異なることに注意を払う必要がある。タクロリムスの導入後は,HLA一致同胞以外のドナーからの移植においても,重症GVHDの頻度は低下している。治療は成人よりも強力な免疫抑制が可能なことが多いが,長期にわたるステロイドの投与は成長抑制など小児の方が大きなQOLの低下を招くことがある。