特集 血球貪食症候群の病態と診療の新展開
7.血球貪食症候群に対する治療
大賀正一
1
Shouichi Ohga
1
1九州大学大学院 医学研究院 周産期・小児医療学 教授
pp.69-75
発行日 2012年12月30日
Published Date 2012/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201301069
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血球貪食症候群(HPS)は,免疫担当細胞の過剰な持続活性化を背景に,発熱,血球減少,肝脾腫,播種性血管内凝固,高フェリチン血症,および血球貪食組織球の増多を呈する危急症である。遺伝性と続発性に分類されるが,その病勢制御とともに基礎疾患の治療を進める。Etoposideを中心とする免疫化学療法が基本となるが,造血細胞移植(SCT)の必要性が判断しにくく,特にEBウイルス関連およびリンパ腫関連HPSの対応が難しい。重症型(FHL, EBV-HLH, LAHSなど)の治療を中心に,生物学的製剤についても概説する。