特集 血球貪食症候群の病態と診療の新展開
1.血球貪食症候群の遺伝的背景
北村明子
1
,
安友康二
2
Akiko Kitamura
1
,
Koji Yasutomo
2
1徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 生体防御医学分野 助教
2徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 生体防御医学分野 教授
pp.21-26
発行日 2012年12月30日
Published Date 2012/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201301021
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家族性血球貪食症候群のゲノム解析研究により,細胞傷害性Tリンパ球の活性制御に関与する分子群の遺伝子異常が同定され,CTLの機能異常がFHLの病態の基盤であることが明らかになりつつある。しかし,複数の原因遺伝子が同定されているにもかかわらず,その詳細な分子メカニズムは未だ不明である。今後は原因遺伝子が明らかでないFHLを対象に新たな原因遺伝子の同定を目指すとともに,HPSの動物モデルを樹立することによってFHLの詳細な分子機構が明らかにされることが期待される。