特集 スギ・ヒノキ花粉症 最新の話題
Ⅱ.病因論に関する話題
3.ILC2とアレルギー性鼻炎
戸嶋一郎
1
,
清水猛史
2
Ichiro Tojima
1
,
Takeshi Shimizu
2
1滋賀医科大学耳鼻咽喉科講師
2滋賀医科大学耳鼻咽喉科教授
pp.172-179
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201902172
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アレルギー性鼻炎はアレルゲンに対するⅠ型アレルギー疾患で,くしゃみ,水様性鼻汁,鼻閉などの症状を生じる。従来から2型ヘルパーT(Th2)細胞を介した獲得免疫が病態の中心に考えられていたが,近年,上皮由来サイトカインのIL(interleukin)-25,IL-33,TSLP(thymic stromal lymphopoietin)やグループ2自然リンパ球(ILC2)が関わる自然免疫の役割が注目されている。本稿ではアレルギー性鼻炎の病態における自然免疫の関わりについて,ILC2の役割を中心に概説する。