特集 スギ・ヒノキ花粉症 最新の話題
Ⅱ.病因論に関する話題
2.局所アレルギー性鼻炎(Local allergic rhinitis)
坂井田寛
1
,
竹内万彦
2
Hiroshi Sakaida
1
,
Kazuhiko Takeuchi
2
1三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科助教
2三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科教授
pp.164-170
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201902164
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局所アレルギー性鼻炎(Local allergic rhinitis:LAR)とは,血清中の抗原特異的IgE(immunoglobulin E)が検出されないにもかかわらず,鼻粘膜局所においてIgEが産生され,鼻誘発試験が陽性であるという特徴を有する鼻アレルギー疾患である。2009年にRondónらが提唱した後に報告が増えてきているが,確立された診断方法はなく,有病率等も報告によって違いがある。本疾患はわが国の「鼻アレルギー診療ガイドライン」や「Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma(ARIA)」においても正式に記載されていない。病態生理にも不明な点が残っており,更なる研究が必要である。本稿では現時点でのLARに関する知見を概説する。