特集 スギ・ヒノキ花粉症 最新の話題
Ⅱ.病因論に関する話題
4.制御性B細胞とアレルギー性鼻炎
鈴木元彦
1
Motohiko Suzuki
1
1名古屋市立大学耳鼻咽喉科教授
pp.180-187
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201902180
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アレルギー性疾患に対する治療において,アレルギー反応の上流に対する新規治療法の開発が期待されている。RNA干渉(RNAi)はmRNAからの翻訳が阻害される現象であるが,RNAiによって特定の遺伝子発現を抑制することが可能となる。私たちはRNAiを用いたアレルギー性疾患に対する新規治療法について研究してきたが,siRNA(small interfering RNA)導入制御性B細胞によってアレルギー反応やアレルギー性鼻炎症状が制御されることを発見した。以上を踏まえ,本稿ではアレルギー性鼻炎に対するsiRNA治療と制御性B細胞治療について概説する。