特集 アレルギー疾患とバイオマーカー
2.好酸球性副鼻腔炎のバイオマーカー
藤枝重治
1
,
加藤幸宣
2
,
二之宮貴裕
2
,
吉田加奈子
3
,
徳永貴広
4
Shigeharu Fujieda
1
,
Yukinori Kato
2
,
Takahiro Ninomiya
2
,
Kanako Yoshida
3
,
Takahiro Tokunaga
4
1福井大学学術研究院医学系部門耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授
2福井大学学術研究院医学系部門耳鼻咽喉科・頭頸部外科助教
3福井大学学術研究院医学系部門耳鼻咽喉科・頭頸部外科医員
4真生会富山病院耳鼻咽喉科
pp.96-105
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201901096
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好酸球性副鼻腔炎の診断にはJESREC(Japanese Epidemiological Survey of Refractory Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis)スコアが使われ,重症度分類も決められている。代表的バイオマーカーとしては末梢血中の好酸球率および好酸球数が該当する。末梢血好酸球数は好酸球性副鼻腔炎鼻茸中の好酸球数と相関する。ただ,組織中好酸球が減少しても病態に影響を及ぼさない可能性もある。これまでの網羅的解析から,ペリオスチンが好酸球性副鼻腔炎のバイオマーカーに最も適しており,血清ペリオスチンは内視鏡下鼻副鼻腔手術後の予後判定にも使用可能であった。今後,実臨床への導入が期待できる。