特集 アレルギー疾患とバイオマーカー
1.アトピー性皮膚炎のバイオマーカー
森村壮志
1
,
菅谷 誠
2
Sohshi Morimura
1
,
Makoto Sugaya
2
1国際医療福祉大学医学部皮膚科講師
2国際医療福祉大学医学部皮膚科主任教授
pp.66-73
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201901066
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アトピー性皮膚炎(AD)患者は年々増加傾向にある。2018年に抗IL(interleukin)-4/13受容体モノクローナル抗体であるdupilumabが新たにADの治療に加わり,今まで難治であったADがうまくコントロールできる時代になってきた。ADの病勢を反映するバイオマーカーは,2008年7月に日本で保険適応となった血清中thymus and activation-regulated chemokine(TARC)値が最も頻用されている。他の候補としては,squamous cell carcinoma antigen 2(SCCA2),periostin,cutaneous T-cell-attracting chemokine(CTACK)などが挙げられる。生物学的製剤の出現によりAD治療の変革期を迎え,ますますバイオマーカーの需要が増えてくる。生物学的製剤の種類によって適切なバイオマーカーを選択する必要がある。