特集 アレルギー疾患とバイオマーカー
2.消化管アレルギーのバイオマーカー
木村光明
1
Mitsuaki Kimura
1
1静岡県立こども病院免疫アレルギー科 科長
pp.58-65
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201901058
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消化管アレルギーの診断に有用なバイオマーカーにはアレルゲン特異的リンパ球刺激試験がある。経口食物負荷試験後の好中球上昇も診断の参考になる。新生児期発症患者では末梢血好酸球の高度上昇が診断の手掛かりとなる。重症度のバイオマーカーとしてはCRP(C反応性蛋白)が有用であり,高度に上昇する場合は発熱を伴い敗血症様の症状を呈する。CRPは予後の指標としても有用であり,上昇していると耐性獲得が遅れる傾向がある。逆に好酸球上昇は予後良好の指標である。病態研究のバイオマーカーとしてはIL(インターロイキン)-8や-9,-10が注目されている。