特集 川崎病アップデート ~病因・病態論の推移と展望~
Ⅲ.環境要因 ~病原因子は風に運ばれてくるのか~
清水智佐登
1
,
Jane C.
1
Chisato Shimizu
1
,
C. Jane
1
1University California San Diego, Kawasaki Disease Research Center
pp.1390-1393
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018111390
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日本全国,北半球の地球規模で川崎病の季節性があることより,川崎病の発症には広い地域に影響する環境要因が関与していると考えられる。さらに,年齢による季節性の違いが存在することより,川崎病のトリガーは複数存在することが推測される。日本の3大流行年(1979年,1982年および1986年)の気流の研究では,北西からの風のパターンと川崎病の発症との関連性が示された。川崎病トリガーの1つは,対流圏内の気流によって中国北東部から運ばれてくるという仮説が,疫学,気象の研究に基づいてたてられた。