今月の主題 狭心症—日常臨床へのExpertise
狭心症の診断
冠動脈病変の病理学的特徴
小島 明子
1
,
小松 龍士
1
,
上田 真喜子
1
1大阪市立大学医学部第1病理
pp.622-623
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909300
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ポイント
●冠動脈病変の病理学的特徴はプラークの形成とそれによる内腔の狭窄である.
●プラークの組織性状は多様で,初期冠動脈硬化病変にみられるhypercellular Lesionのほか,進行性冠動脈病変では線維性プラーク,粥腫性プラークなどが認められる.
●プラーク破裂やプラークびらんは,内腔の血栓性閉塞を引き起こして急性心筋梗塞の発症の原因となる.プラーク破裂とプラークびらんの両病変部位には,マクロファージやTリンパ球などの炎症性細胞の高度な浸潤が認められる.
●酸化LDLは,泡沫細胞の形成や炎症性細胞の集積を促進させることにより,プラークの進展・不安定化に関与している.
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