特集 アレルギー疾患の将来展望 ~発症率の推移から望ましい治療薬の今後など~
Ⅰ.有症率の推移からの患者数,重症度の推移
4.成人アトピー性皮膚炎
森桶 聡
1
,
田中暁生
2
,
秀 道広
3
Satoshi Morioke
1
,
Akio Tanaka
2
,
Michihiro Hide
3
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学助教
2広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学准教授
3広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学教授
pp.1270-1276
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018101270
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成人におけるアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)の有症率は約10%前後であり,高齢になるほど低い傾向にある。本邦での大規模な疫学調査の多くは2000~2008年(平成12~20年)頃に行われているが,調査期間や地区が限定されているなど,全体像を把握することは容易ではない。診療ガイドラインの上梓,新規治療薬の登場など,本症を取り巻く環境は変化してきている。最近行ったWeb調査では今のところ有症率の大幅な変化はみられていないが,今後も時代に応じた診療が求められるものと考えられる。