特集 アレルギー負荷試験 アップデート
Ⅷ.食物経口負荷試験(FDEIA)
河野邦江
1
,
荻野龍平
2
,
森田栄伸
3
Kunie Kohno
1
,
Ryohei Ogino
2
,
Eishin Morita
3
1島根大学医学部皮膚科学講座特別協力研究員
2島根大学医学部皮膚科学講座研究員
3島根大学医学部皮膚科学講座教授
pp.1046-1051
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018081046
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食物依存性運動誘発アナフィラキシー(Food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)の経口負荷試験は,被疑食物の摂取に運動負荷やアスピリン摂取を組み合わせて実施され,アレルギー症状の誘発により確定に至る。しかし経口負荷試験の感度は高くないため,症状が誘発されない場合に被疑食物を原因から除外できないという問題がある。筆者らは,小麦を原因とするFDEIAではアレルギー症状と関連して血中に小麦蛋白質のグリアジンが検出されることから,血中グリアジン動態を評価して経口負荷試験陰性の真偽を評価した。経口負荷試験の結果は臨床症状や血中抗原特異的IgE(immunoglobulin E)検査の結果とあわせて注意深く吟味し解釈する必要がある。