特集 花粉症の基礎と臨床 アップデート
Ⅵ.スギ花粉数の今後の予測
村山貢司
1
Koji Murayama
1
1気象業務支援センター気象予報士
pp.198-207
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201802198
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東京では過去10年のスギ・ヒノキの花粉数が2,000個を下回ったのは2年だけで,平均の花粉数が4,200個を超えている。原因はスギやヒノキの樹齢が30年以上になり,花粉生産量がピークを迎えているためである。日本国内に植林されているスギ林はおよそ450万ha,ヒノキ林は250万haにも及んでおり,その95%以上が花粉を大量に生産する樹齢になっている。花粉が多くなるために夏の日照時間が影響するが,よほどの冷夏にならない限り,花粉の多い状態が続く見込みである。