特集 アレルギー 最近の話題
Ⅰ.アレルギー疾患発症率の最近の動向
小田嶋博
1
Hiroshi Odajima
1
1国立病院機構福岡病院副院長
pp.1286-1297
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201710012
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アレルギー疾患は増加傾向を続けてきた。しかし,この10数年間では気管支喘息とアトピー性皮膚炎ではその有症率に減少傾向がみられる。ここでは,まず,最近の動向を,報告の多い有症率について見直し,そこから得られた示唆とともに,発症率の検討を試みた。気管支喘息では発症年齢は低年齢化しているが,発症率は,最近10年間では平成17,18年を頂点として,4歳以下において減少傾向がみられた。鼻炎,結膜炎,花粉症では幼児期から学童期での発症率が増加していた。小児期の発症率は最大で喘息は約2%,他のアレルギー疾患では約4%であり,その時期は喘息,アトピー性皮膚炎では4歳以下,アレルギー性鼻炎は3~6歳,結膜炎,鼻炎は5~10歳と考えられた。