連載 記憶に残る症例(35)
過敏性肺炎症例との出会い
土橋邦生
1
Kunio Dobashi
1
1群馬大学大学院保健学研究科教授
pp.1244-1246
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201709120
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アレルゲン吸入により発症するアレルギー性呼吸器疾患というと喘息と過敏性肺炎が思い浮かぶ。前者は主としてIgEが関与し,後者はIgGと細胞性免疫が関与する。しばしば同じアレルゲンが,喘息を引き起こしたり過敏性肺炎を引き起こしたりする。その違いは何からくるのだろうかという疑問を抱いたことからアレルギー性呼吸器疾患を研究対象に選び今に至っている。そのきっかけは,研修1年目に受け持った過敏性肺炎の1症例である。ここでは,その症例の紹介とその後の自身の歩みについてたどってみる。