特集 花粉症研究の進歩
Ⅱ.スギ花粉症と腸内フローラ
松原篤
1
,
高畑淳子
2
,
佐々木亮
3
,
高橋一平
4
Atsushi Matsubara
1
,
Junko Takahata
2
,
Akira Sasaki
3
,
Ippei Takahashi
4
1弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学講座教授
2弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学講座講師
3弘前大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学講座准教授
4弘前大学大学院医学研究科社会医学講座准教授
pp.296-301
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201703020
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腸内フローラの研究は,以前は培養法で行われていたため特定の菌種しか同定できなかった。しかし近年の技術の進歩は,細菌に特異的な16S rDNAを対象とした遺伝子解析により,菌種の推定を迅速かつ網羅的に解析することを可能とした。その結果,腸内フローラの構成の異常が,消化管疾患だけでなく多くの疾患に関与することが明らかになりつつある。われわれの検討では,スギ花粉感作にStreptococcus(属)とRosebria(属)の二種の腸内細菌が関与する可能性が示唆され,アレルギー制御の観点から更に研究が進むことが期待される。