特集 花粉症研究の進歩
序 ~花粉症に対する先制医療~
藤枝重治
1
Shigeharu Fujieda
1
1福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
pp.285-288
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201703009
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アレルギー疾患の新しい治療概念として,先制医療が注目を浴びつつある。疾患発症リスクが高い人を的確に選択し,早期に介入することで発症を予防しようとする医療である。まだ明確な治療法は確立されていないが,乳児湿疹に対する適切な対策・治療が食物アレルギーやアトピー性皮膚炎発症の抑制につながることが報告されている。アレルギー性鼻炎発症は,アトピー性皮膚炎発症後起こることが多いので,このような先制医療がアレルギー性鼻炎に対しても有効かもしれない。またプロバイオティクス,新しいアレルゲン免疫療法なども先制医療になりえる可能性が高いと思われる。先制医療により,アレルギー性鼻炎治療も新しい時代に突入するかもしれない。