特集 花粉症研究の進歩
Ⅰ.小児花粉症罹患率の推移と影響因子に関する研究
本田耕平
1
Kohei Honda
1
1秋田大学大学院耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授
pp.290-295
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201703014
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小児における喘息とアレルギー疾患の国際共同疫学調査(ISAAC)や国内の最近の疫学調査でも小児花粉症の増加や低年齢化が指摘されており大きな社会問題になっている。また小児花粉症は喘息,アトピー性皮膚炎などの他のアレルギー疾患に比較し自然寛解が少なく成人へ移行しやすい特徴がある。秋田県における小児スギ花粉症の有病率は最近の10年で10%から16.3%に増加していた。一方通年性アレルギー性鼻炎の増加は認めなかった。この原因は社会情勢,生活様式,環境の変化などが考えられている。スギ花粉飛散数増加の他に欧米化の食生活(トランス脂肪酸摂取増加),アセトアミノフェンの消費増加などがリスクファクターとして指摘されている。