特集 口腔アレルギー症候群(OAS) アップデート
Ⅲ.シラカンバ/カバノキ科花粉症に合併するPFAS
藤枝重治
1
,
大澤陽子
4
,
加藤幸宣
2
,
森川太洋
3
Shigeharu Fujieda
1
,
Yoko Osawa
4
,
Yukinori Kato
2
,
Taiyou Morikawa
3
1福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
2福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学助教
3福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
4福井赤十字病院耳鼻咽喉科副部長
pp.1033-1040
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201708031
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
果物や野菜を食べた際,口が痒くなったり腫脹したりするpollen-food allergy syndrome(PFAS)は,花粉症患者に起こる症候群である。日本においてはシラカンバ/カバノキ科花粉症患者に最も多い。現在推定では,シラカンバ/カバノキ科花粉症患者の約10~20%に発症している。原因アレルゲンは,Bet v 1であり,植物に普遍的に発現している感染特異的蛋白質(pathogenesis-related protein:PR蛋白)の1つである。大豆(Gly m 4)を高濃度に含む豆乳の服用において,アナフィラキシーショックを起こすことがあるので注意を要する。治療法は原因食物摂取を避けることである。原因疾患花粉症のアレルゲン免疫療法も行われているが,持続的な効果はまだまだ不十分である。