特集 アレルギー疾患治療の最近の進歩と今後の動向
Ⅱ.小児科
大嶋勇成
1
Yusei Ohshima
1
1福井大学医学系部門医学領域小児科学教授
pp.1348-1353
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201610022
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食物アレルギーの治療として,原因食物の除去に加え,耐性獲得を目指した経口免疫療法が検討されている。経口免疫療法では多くの症例で脱感作状態となることが期待されるが,最終的に自然経過での耐性獲得と同じ状態になるかは不明である。経口免疫療法は,アナフィラキシーなど重篤な副作用の危険もあり,現時点では研究段階の治療と位置づけられている。近年,新規のダニ免疫療法用製剤が利用可能となった。免疫療法には喘息の自然歴を変える効果が期待されるが,ダニ感作が原因となる小児喘息の予防効果にはエビデンスがない。