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特集 新型コロナウイルス感染症の検証―腎疾患診療を中心に
ワクチン接種関連および予防
パンデミック下のワクチン接種とウイルスの免疫逃避―予想と現実
Impact of mass vaccination on viral immune escape during the COVID-19 pandemic
渡邊 裕美
1
WATANABE Yumi
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科社会・環境医学分野
キーワード:
ワクチン
,
ウイルス免疫逃避
,
ウイルス・宿主間相互作用
Keyword:
ワクチン
,
ウイルス免疫逃避
,
ウイルス・宿主間相互作用
pp.507-512
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000918
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はじめに
2020年3月,世界保健機関(World Health Organization:WHO)がCOVID-19のパンデミックを宣言した。従来,ワクチン開発には10年から15年を要するといわれてきた。基礎的な研究段階を完了したのちの臨床試験のみを考えても少なくとも3年程度はかかる。しかし,今回のパンデミックでは開発開始から1年足らず,わずか2カ月の第3相試験の結果にもとづき,ファイザー社製のmRNAワクチンが米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)により緊急承認され(2020年12月11日),日本でも特例承認された(2021年2月14日)。その後,医療従事者にはじまって,あっという間に一般に使用されるようになり,承認されたワクチンの種類,適応年齢,適応範囲もあれよあれよという間に拡大され,短期間に変更を繰り返しながら継続されている。
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