特集 エイズの臨床 アップデート
Ⅳ.CCR5阻害薬と中和抗体療法
吉村和久
1
Kazuhisa Yoshimura
1
1国立感染症研究所エイズ研究センター第一室室長
pp.652-657
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201605040
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多剤併用療法(combination anti-retroviral therapy:cART)により,感染者体内のHIV増殖を抑えることは可能となったが,体内から根絶するまでには今のところいたっていない。このことは,新規薬剤開発とともに,これまでとは異なったやり方でウイルスを追い込んでいく方法を検討する必要があることを示唆している。そこで,最近の研究報告と我々が行っている研究をもとに,CCR5阻害薬と中和抗体療法とのユニークな関係性を利用した新しい治療の方向性の提言を行いたい。