特集 アレルギー・免疫疾患と東洋医学
Ⅱ.臨床 8.漢方治療が奏功した自己免疫疾患
大野修嗣
1
Shuji Ohno
1
1大野クリニック院長
pp.420-428
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201603420
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自己免疫疾患,なかでも膠原病に対する漢方薬治療は,近年多くの経験が集積されつつある。本稿では漢方薬が奏功した膠原病症例を取り上げ自己免疫疾患に対する漢方薬の有用性を検討した。唾液分泌が改善し,疾患自体が軽快したシェーグレン症候群,副腎皮質ステロイドに漢方薬を併用することでステロイド薬freeとなった全身性エリテマトーデス,漢方薬治療を併用することで微小血管炎と間質性肺炎が軽快した混合性結合織病,治療に難渋した多発性筋炎に漢方薬が極めて有効であった症例を提示して,若干の考察を加えて膠原病に対する漢方薬治療の有用性を概説した。