特集 アトピー性皮膚炎の病態に基づいた新たなアプローチ
Ⅸ.痒疹モデルからみた治療戦略
端本宇志
1
,
佐藤貴浩
2
Takashi Hashimoto
1
,
Takahiro Satoh
2
1横浜市立みなと赤十字病院皮膚科/防衛医科大学校皮膚科学講座
2防衛医科大学校皮膚科学講座教授
pp.234-241
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201602072
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アトピー性皮膚炎では特に慢性期に痒疹病変を伴うことが多い。痒疹はTh2型の免疫応答が主体の瘙痒を伴う反応であり,アトピー性皮膚炎のそれと類似しているが,痒疹の詳細な発症機序は不明である。近年痒疹のモデルマウスが開発され,その病態解析が進んでいる。このモデルマウス解析から得られた知見を元に,アトピー性皮膚炎の皮膚症状,とくに痒疹について,免疫状態の是正や瘙痒の抑制などによる治療の可能性について概説した。